いよいよ1週間前!アステロイドデースペシャルトーク2025

「地球衝突が指摘された小惑星、2024 YR4とアポフィスにフォーカス!」をテーマに開催する今年のアステロイドデースペシャルトークがいよいよ1週間後の6月28日(土)に迫りました!

JAXAプラネタリーディフェンスチームが、円谷プロとコラボして作られたカッコイイ、イメージ画像 ©JAXA ©TSUBURAYA PRODUCTIONS

プラネタリーディフェンスの最前線や、地球衝突の可能性が指摘された小惑星の最新の観測情報、そして、今も宇宙空間を旅している小惑星探査機はやぶさ2のこれからも紹介されるかもしれません。詳しい講演内容はこちらをご覧ください。
定員は200名(当日先着順)、入場無料で、YouTubeによるライブ配信もあります。世界が注目するプラネタリーディフェンスにぜひご注目ください!

カテゴリー: 天文 | タグ: , | いよいよ1週間前!アステロイドデースペシャルトーク2025 はコメントを受け付けていません

梅雨時の花 その2

タイトルに梅雨時とつけたものの、今週は真夏ようなの猛暑が続いています。そんな中咲いている花について、先日のブログに続いて紹介します。
こちらはアキノタムラソウです。

アキノタムラソウ

梅雨時なのにアキノタムラソウ?と思われるかもしれませんが、早いものは5月中から咲き出します。花期はダラダラと続き、秋まで咲きます。正確には「秋まで咲くタムラソウ」と呼んだ方が良さそうです。シソ科特有の立体的な花です。

アキノタムラソウの花のアップ

こちらはヤブジラミです。花に乗っているアリと比べても、その小ささがわかります。

ヤブジラミの花 アリと比べても花の大きさがわかります

同じような場所で大型連休のころに咲く近縁のオヤブジラミの方は、もう果実になっています。小さなかわいらしい花から、一転してトゲトゲのひっつき虫になっています。ヤブジラミも少し小さめですが、同じような果実をつけます。

オヤブジラミの果実

ちなみに、オヤブジラミの花はこちらです。今年の5月の初めにヤブジラミとほぼ同じ場所で撮影しました。

オヤブジラミの花(5月初旬に撮影)

オヤブジラミと同じころに開花して、すでに果実になっているのが、ナワシロイチゴです。

ナワシロイチゴの果実

野イチゴの一種で、果実は酸味が強いものの、美味しく食べられます。ナワシロイチゴの花はこちらです。

ナワシロイチゴの花(5月初旬に撮影)

次々と咲いては実る野草の勢いが止まりません。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 梅雨時の花 その2 はコメントを受け付けていません

梅雨時の花

6月18日、博物館の前庭ではオカトラノオが咲き出しました。

オカトラノオ

日当たりの良い草地などに生える植物で、博物館ではいつの頃からか、咲くようになりました。そしてこの5年ほど、株数がどんどんと増えて、入口のアプローチの南側(駐車場側)一面に広がりました。在来の野草なので増えるに任せています。これから2週間ほど、見ごろになるでしょう。
そして、駐車場(未舗装側)の一画では、ホタルブクロが咲いています。

ホタルブクロ

おもしろいことに、近縁種のヤマホタルブクロも隣り合って咲いています。

ヤマホタルブクロ

そっくりすぎて見分けがつきにくいのですが、両種の見分け方は過去のブログに書いてあるので、ぜひご確認ください。
アプローチへ戻って、オカトラノオと反対側には、こんな小さな花が咲いています。オランダキジカクシです。

オランダキジカクシ

オランダキジカクシと言われてもぴんとこないかもしれませんが、学名のアスパラガスと言えば馴染のある名です。食用にするのは、この植物の芽生えたばかりの茎です。これも誰が植えたわけでもなく、いつの間にか咲くようになりました。
他にもいろいろ咲いたり実ったりしているので、またお伝えしようと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 梅雨時の花 はコメントを受け付けていません

自然環境観察員 今年の全体テーマ調査は・・

エコパークさがみはら(相模原市立環境情報センター)で毎年実施している自然環境観察員制度の全体テーマ調査は、博物館学芸員がサポートしています。タンポポ調査、ツバメの巣の分布調査など、20年以上にわたって市域の自然を調べています。6月14日、エコパークさがみはらの講義室で環境セミナーが行われ、今年の調査の説明会が開かれました。
今年のテーマは「チュウゴクアミガサハゴロモとアカボシゴマダラ」です。

タラノキの枝に集まるチュウゴクアミガサハゴロモ(幼虫)

どちらもあまりなじみのない昆虫かもしれませんが、近年、急速に分布を広げています。特に、チュウゴクアミガサハゴロモは昨年、爆発的に増加しました。近年の在来種、アミガサハゴロモやアオバハゴロモなどとどのように競合するのか、気になるところです。

チュウゴクアミガサハゴロモとアオバハゴロモの幼虫

そして、アカボシゴマダラは、1990年代に湘南地域の昆虫愛好家が意図的に放蝶してしまったという、外来種問題の中でも最悪のストーリーと言える来歴を持つ外来種です。近縁で食草もエノキで一致する在来種、ゴマダラチョウとの競合が気になります。これらの昆虫の、市域での分布状況を調査するのが今年のテーマです。
動物担当学芸員が、識別方法や探し方などをレクチャーしました。

レクチャーする動物担当学芸員

標本も持ち込みました。

近縁の在来種のゴマダラチョウ(右)と比較できるアカボシゴマダラの標本(左)

こちらもチュウゴクアミガサハゴロモ(左)と近縁のアミガサハゴロモ(右)の成虫標本

終了後も観察員のみなさんが熱心に標本を見ています。

標本に見入る観察員のみなさん

全体テーマ調査は、概ね5年ごとに実施するタンポポ調査など定番のものの合間に、こうした気になる話題の生きものなどを扱います。はたして今年の調査はどのような成果が出るのか、楽しみです。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 自然環境観察員 今年の全体テーマ調査は・・ はコメントを受け付けていません

市役所本館のてっぺんで「相模原ふるさといろはかるた」展

このブログをご覧の皆さまは、相模原市役所展望室を訪れたことはありますでしょうか?
本館6階からさらに階段を上ること76段…、地上34メートルの高さから相模原市街が一望でき、お天気に恵まれれば遠くの山々の中に富士山を見ることもできます。

この日は津久井や丹沢方面の山々がうっすらと見えるのみでした。(令和7年5月21日撮影)

市役所本館の最も高い場所である展望室で、当館のボランティア「市民学芸員」が手がけた「相模原ふるさといろはかるた」を紹介する展示が始まりました。

相模原ふるさといろはかるた

「相模原ふるさといろはかるた」とは、市内47か所の名所・旧跡を楽しく遊びながら学ぶことができる「かるた」です。47のお題選び、読み句・解説文作成や札づくりなど、市民学芸員が7年がかりで完成させました。現在、当館で貸出しも行っています。
出張展示などの様子は度々このブログでも取り上げており、先日まで当館と連携に係る覚書を取り交わしている麻布大学いのちの博物館で展示していました。

かるた札づくりの様子(令和6年10月)

今まで様々な施設で展示を行ってきましたが、市役所本館での展示はこれが初めてです。当面の間、展望室内の壁面に貼り付けて展示することになるため、いつもの展示用セットではなく、今回のための展示レイアウトを市民学芸員有志が作成しました。

展示の様子

展望室からの眺望を楽しみつつ、ぜひ「相模原ふるさといろはかるた」展をご覧いただきたいと思います!市役所展望室の開放時間等はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, ふるさといろはかるた, 市民学芸員 | タグ: , , , | 市役所本館のてっぺんで「相模原ふるさといろはかるた」展 はコメントを受け付けていません

カイコ日記(6/17)いよいよ終齢(5齢)

6月17日、給桑開始から18日目。前日までに4回目の眠(みん)に入っていたカイコでしたが・・

4回目の眠のカイコ 古い小さな頭部が前へずれています

朝には3分の1ほどのカイコが脱皮して5齢になっていました。5齢と4齢の頭部の大きさの違いをご覧ください。

4齢(左)と5齢(右)のカイコ

今はまだ全長4センチメートルほどですが、数日食べると6センチメートルくらいまで一気に大きくなり。6日後には最大の大きさ、全長約7センチメートル強になります。

早速クワを食べだした5齢のカイコ

5齢で1週間食べ続けると、体がやや縮んで黄色っぽく変化し、熟蚕(繭を作り始めるカイコ)と呼ばれる状態になります。つまり、来週の火曜日から水曜日にかけて繭を作り始めるということになります。ここから1週間でどれだけクワを食べさせられるかで、繭の大きさが決まります。せっせとクワ摘みに励みたいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: オカイコサマ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | カイコ日記(6/17)いよいよ終齢(5齢) はコメントを受け付けていません

図書館で山城を知る【津久井城出張ミニ展示~7/9まで】

6月13日から津久井城跡のミニ展示を市立図書館にて開催中です。
これは今年の3月から博物館エントランスで展示していたもので、昨年の11月に行った発掘調査の成果を紹介しています。12日に展示を設営してきました。

出土した土器など展示中です。

展示場所は階段を上がってすぐです。

きれいに並べます。

今回は展示スペースの余白に津久井城跡に関する本を入れています。

また、ラジオ録音もしました。これはFMHOT839の「図書館に行こう!」というコーナーがあり、6月17日午前11時35分ごろ、18日18時05分ごろ、19日16時15分ごろ、
20日9時05分ごろ放映いたします。

録音の様子。

相模原市が誇る貴重な山城ですので、ぜひご覧いただき、当時の雰囲気を感じていただければと思います。(考古担当学芸員)

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 | 図書館で山城を知る【津久井城出張ミニ展示~7/9まで】 はコメントを受け付けていません

ハムシの標本調査

先日、ハムシという昆虫の研究者の方が当館所蔵の標本の調査のために来館されました。
今回は当館の収蔵標本を概観し、現在取り組まれている研究に使える標本があるか検討される、とのことです。

研究中の種(しゅ)の標本があったそうです

当館には、市内で採集されたものを中心に4万点ほどの昆虫標本が所蔵されています。

ハムシとゾウムシの標本箱

それらの標本を、当館の研究・教育活動だけではなく、今回のように全国の研究者の方の調査研究にも活用いただくことで、相模原の昆虫に対する理解がより深まるといいな、と考えています。
(動物担当学芸員)

カテゴリー: 未分類, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | ハムシの標本調査 はコメントを受け付けていません

アメリカオニアザミ

市内の住宅街の路傍などに、とても刺々(とげとげ)しい植物の巨大な株が目立っています。アメリカオニアザミです。

アメリカオニアザミ

その名から想像できるとおり、外来植物です(ただし、原産地はヨーロッパと言われています)。21世紀に入るころから各地で目立ち始め、特にこの15年ほどで急速に分布を広げました。

アメリカオニアザミの花 トゲはとても鋭い

アザミの仲間はどれもトゲがありますが、例えば春に明るい草原などに咲く在来のノアザミはこちらです。

ノアザミ(在来種)

アメリカオニアザミに比べると、むしろかわいらしく見えます。
アメリカオニアザミは乾いた路傍でも生育し、茎が伸びてくるころには鋭いトゲが全草から出ているため、うっかり手を出すと怪我をしてしまうので手に負えません。おまけに、たくさんの花からたくさんの種子を作るので、繁殖力も旺盛です。

種子をつけたアメリカオニアザミ

まだ特定外来生物法では指定されていませんが、同法で定める生態系被害防止外来種のリスト(現在指定について検討中、あるいは注意を要する種のリスト)に入っているため、近い将来、特定外来生物に指定されるかもしれません。いずれにしても、私たちの生活に直接影響を及ぼす植物なので、今後も市域の分布状況を注視していきたいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | アメリカオニアザミ はコメントを受け付けていません

ニガイチゴの果実

6月13日、博物館周辺の樹林地では明るい朱色の果実が目立ってきました。ひとつは、ニガイチゴです。

ニガイチゴの果実

名前からすると苦くて食べられないのかな、と思ってしまうのですが、甘くておいしい、れっきとしたキイチゴの一種です。ただ、しっかりかみしめるとちょっと苦みを感じるため、その名の正しさを知ることになります。ちなみに、春に咲く花はバラ科らしく清楚な美しさがあります。

ニガイチゴの花(4月8日に撮影)

ちなみに、先日訪れた横浜国立大学のキャンパス内には栽培種のキイチゴ(ラズベリー)がたくさん自生していました。

正真正銘の?キイチゴ 美味しさも抜群でした

どこか近くで栽培していたものを、野鳥が食べてあちこちに広げたのでしょう。
そして、ニガイチゴと同じような場所にたくさん生えていて、色も形もよく似ている果実がこちら、ヒメコウゾです。

ヒメコウゾの果実

こちらはクワにとても近い仲間の樹木であり、果実はキイチゴに似てるし、いかにも美味しそうです。ところが食べてみると、確かに甘みは感じられるのですが、ねっとりとして、しかも固い毛など飲み込みたくない食感のものが口の中に残り後味が最悪です。鳥は気にならないようで、ムクドリなどが食べてフンから芽生えるので、伐採跡の林内が数年でヒメコウゾだらけになることがあります。
ワイルドの果実は見た目に惑わされないよう注意深く口にしなくてはいけませんね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | ニガイチゴの果実 はコメントを受け付けていません