十二支ミニ展示「寅」はじまりました!

毎年恒例の、十二支ミニ展示がスタートしました!
令和4年の干支は「壬寅(みずのえとら)」なので、今回は「寅」にまつわる市内の資料を紹介しています。

十二支ミニ展示「寅」

注目の資料はこちら。追手風喜太郎(おいてかぜきたろう)寄進の四神(しじん)から「白虎(びゃっこ)」像(市登録文化財)です。

白虎像(上)と虎目石(下)

これは、江戸時代後期の力士で、大関(江戸時代の最高位)までになった市内緑区小渕(おぶち)出身の追手風喜太郎が、故郷の三柱(みはしら)神社へ寄進した四神像の一つです。生家から令和元年に当館へ寄贈されたもので、今回が初めての展示となります。
また、当館ではトラのはく製は所蔵していませんので、「とら」つながりでトラツグミのはく製を展示しています。

トラツグミ(はく製)

山地の樹林内で繁殖し、夜中に「ヒィー」と一声ずつ鳴くその声から、かつては妖怪の「鵺(ぬえ)」にたとえられてきました。しかし、その姿は全身の虎斑(とらふ)模様と大きな丸い目が美しい鳥です。トラツグミは冬のこの時期、博物館周辺の樹林にも生息していますが、地面にいると虎斑模様が保護色になってなかなか見つかりません。
他にも、「とら」が名前に入る植物の標本や写真、虎目石(タイガーストーン)、市内の無量光寺(むりょうこうじ)に伝わる小田原北条家の虎朱印状(写真)などを展示しています。

オカトラノオ(サクラソウ科)の標本と写真

ミニ展示は1月10日まで。年賀状や年賀メール用のモチーフにも使えるかもしれません。博物館へお越しの際はぜひご覧ください。

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濃い虹

12月14日、朝から降っていた雨がお昼ごろに弱まり、その後もだらだらと降ったりやんだりの中、午後3時半ころ、西日が射しました。これは、虹が出る好条件です。早速カメラを持って博物館の屋上へ上がりました。

完璧なアーチを描いた虹

果たして・・・虹はくっきりと現れていました。完全なアーチを描いたのですが、条件が良かったために大きすぎて、24mmの広角レンズでも収まりませんでした。
虹は、観察者を基点として太陽と正反対の方向、つまり対日点を中心に42度(外側)の角度に主虹(しゅこう)が出ます。この日の虹はとても明瞭で、副虹(ふくこう)と呼ばれる53度の角度に出る虹も薄く見えました。

写真ではちょっとわかりにくいのですが、肉眼では副虹がはっきり見えました

ちなみに、主虹と副虹は、色の配置(主虹は内側が紫で外側が赤)が逆になります。
さらに、一番濃く見えているときには、主虹の内側にさらに干渉虹(かんしょうにじ)と呼ばれるものも見えました。

主虹の紫の内側に、ブレたように干渉虹が見えます

これは、大きな雨粒でできた虹で、太陽光の干渉によって現れます。干渉虹、または過剰虹(かじょうにじ)や余り虹などと呼ばれるのですが・・なんだか味気ないネーミングですね。もっと素敵な名前が付かないものかと、干渉虹を見るたびに思います。

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上鶴間公民館で「軍都さがみはら」の話をしました

12/9に上鶴間公民館成人学級のひとコマとして「軍都さがみはら」の講座を行いました。

約30人の熱心なみなさんが参加されました

今年の夏に当館にて開催した企画展「軍都さがみはら展~国内最大の町 誕生物語~」を見た上鶴間公民館から、公民館の成人学級でもぜひ講座をしてほしいと依頼があり、お話しさせていただきました。

久々の対面での講座でした

陸軍士官学校の移転、市域内の陸軍施設の紹介、軍都計画、国内最大面積の町 相模原町の誕生などについてお話し、途中の休憩を少し長めに取り、その時間に当館から持参した練習用手りゅう弾、千人針などの戦争関係資料を手に取って見てもらいました。

戦争関係資料に興味津々の参加者でした

上鶴間公民館では「てくてくマップ」という探訪マップを作成し、相模大野周辺の戦争関連の巡回コースもある効果もあってか、質疑応答では非常に積極的かつ講座内容をよく理解された質問が多くありました。

周辺の散策が楽しめる「てくてくマップ」…当館学芸員も少し協力

今後も市の特徴的な歴史のひとつである「軍都さがみはら」に関する紹介を図っていきたいと思います。

なお、当館ホームページ「ネットで楽しむ博物館」では、企画展「軍都さがみはら」の展示解説動画の配信を行っていますので、ぜひご覧ください。

「ネットで楽しむ博物館」はこちら。

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リュウグウのサンプル公開 最終日!銀河連邦物産展あります!

はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプルの公開も、本日12月12日が最終日です。事前申し込みに当選された方も、いち早くサンプルを見たいと、朝は入館待ちの行列ができました。

開館前には開館待ちの行列ができました

そして、この日だけの企画、「銀河連邦物産展」が出店します!

開店準備中です

銀河連邦とは、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の研究施設が置かれている、または、置かれていた日本の自治体で構成され、「ユーモアとパロディの精神」に則って交流する組織です 。連邦加盟の全国の自治体の物産を販売しています。

北海道から鹿児島まで、各地の物産が並びます

なんと!相模原の物産として「はやぶさ2酒まんじゅう」もあります。酒まんじゅうは、古くから相模原に伝わる郷土食です。郷土食と郷土の誇りであるはやぶさ2のコラボ、すばらしいですね!数に限りがありますのでお早めに!

にこにこ星ふちのべ商店会オリジナルの、はやぶさ2酒まんじゅう

※本日(12月12日)のサンプルの公開は、事前申し込みで当選された方のみとなります。当日整理券の配布はありませんのでご注意ください。なお、館内は通常開館しており、事前申し込みをされていない方も、リュウグウのサンプル公開以外の展示室、プラネタリウムの観覧、物産展などでの購入は可能です。

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リュウグウのサンプル公開、6日目 じつは、あのさがみんは・・

12月11日、はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプルの公開も6日目になりました。
サンプル展示スペース入口の受付には、さりげなく、相模原市のマスコットキャラクターの「さがみん」が座っています。

あの!さがみんです!

じつはこのさがみん、はやぶさ2帰還カプセルの回収班特別隊員の、あのさがみんなのです!JAXA藤本正樹副所長を隊長とする回収班のみなさんとオーストラリアまで行った証拠に、JAXAはやぶさ2プロジェクトのワッペンをちゃんとつけています。こちらもぜひご覧ください(撮影も可能です!)
そしてもう一つ、昨日、津田雄一プロジェクトマネージャが来館されました。展示ケースの後ろに張られた紙に・・

展示ケースの裏側に・・

サインをしてくださいました!100点満点で10000点!という名言とともに。
こちらも撮影可能です。観覧される方はぜひこちらもご注目ください。

津田雄一博士のサインです!(2021年12月10日)

※サンプルの公開は、11日と12日は事前申し込みで当選された方のみとなります。当日整理券の配布はありませんのでご注意ください。

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在日米陸軍基地管理本部司令官が来館されました

12月8日、在日米陸軍基地管理本部司令官のクリストファー・トムリンソン大佐夫妻が来館、小惑星リュウグウのサンプルを観覧されました。

藤本副所長(左)の説明に聞き入るトムリンソン司令官(左から二人目)

本村賢太郎相模原市長がお出迎えし、JAXAの藤本正樹副所長とキュレーション担当の安部正真博士からサンプルについての解説をいただきました。

はやぶさ初号機実物大模型の前で

はやぶさ2帰還カプセル回収の経過や、分析が進められているサンプルの映像や写真も交えた説明には、司令官からも多くの質問があり、藤本副所長の解説にも熱が入りました。

リュウグウのサンプルを観覧されるトムリンソン大佐夫妻 (米軍広報による映像の撮影もありました)

トムリンソン大佐夫妻と談笑する本村市長(左橋)と藤本副所長(右端)

はやぶさ2の成果に世界から注目が集まっていることを、改めて実感しました。

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青山学院大学生が博物館を取材中!~広報さがみはら中央区版3/15号に向けて~

12/3に青山学院大学の学生が博物館内で撮影を行いました。これは市中央区(区政策課)が地元の青山学院大学淵野辺キャンパスに呼びかけ、広報さがみはら3/15号の中央区版を青山学院大学の学生と作り上げるというプロジェクトの一環でした。

まずは中央区職員も一緒に館内を下見しています

大学生の視点で中央区の魅力を紹介するというコンセプトの中で、学生のみなさんが博物館を中心に紙面構成を検討していただけることとなり、何回かの打合せなどを経て今回1回目として、学生さんが制作する映像の素材となりそうな常設展示室内の撮影を行いました。

宇宙の映像は良い素材になりそう…

撮影と言っても今どきの大学生は、全てスマホでの撮影です。スマホによるカメラワークも手馴れたもので、我々の方が今後の動画配信などを行う上で、大変参考になりました。

常設展示で最も迫力ある段丘崖ジオラマも良い素材に

開拓農家の屋根の花(アヤメ)に着目

このあともこのプロジェクトは継続し、今後もイベントの撮影の他、展示作業などにも参加いただき、博物館の活動をとおして中央区の魅力を発信する紙面作りに取り組んでいただく予定です。

トリックアートのような展示も楽しみながら撮影

博物館としても関わりが少ない大学生との連携は大変ありがたいことなので、今後さらに協力していきたいと思います。動画も多くの方に見ていただけるようにしていきたいと考えています。

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リュウグウのサンプル公開3日目に入りました!はやぶさ2どら焼きもあります

はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプル公開、三日目の12月8日となりました。
じつは、サンプルの入ったカプセルは、毎日展示が終了した後、セキュリティの高い収蔵庫で保管しています。

天文担当学芸員が展示ケース内にサンプルを設置しています

毎朝、このように開館前に展示ケースに設置をします。当館は24時間警備ですが、人類の宝物であるサンプルに万が一のことがあってはいけないので、このようにしています。
さて、サンプル公開にはたくさんの方にご来館いただいていますが、いつも賑わいを見せているのが、ミュージアムショップです。ここに、今しか購入できないお土産があるのです。

はやぶさ2どら焼き

「はやぶさ2どら焼き」です!

「帰還1周年」のどら焼きです!

これは県内の老舗お菓子メーカーがこのイベントのために作ったもので、1個200円、5個セット1,000円(いずれも税込み)で販売しています。

ミュージアムショップの特設コーナーで販売中(1日限定150セット)

展示を観覧した後、ぜひミュージアムショップへもお立ち寄りください。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No83 井戸)

前回の職員ブログでは、大島や田名地区の湧き水を利用したヤツボを紹介しましたが、水道が引かれる前は井戸の水を使うのが普通で、各家に井戸がありました。

最初の写真は、文化財記録映画「続相模原の年中行事」の際の撮影で、本ブログNo.38「正月準備」でも取り上げており、元日の若水(わかみず)を井戸で汲んでいるところです。井戸綱を引っ張って、水が入ったつるべ桶を引き上げています(緑区橋本・平成2年[1990]1月撮影)。                

 

現在も庭の一角に井戸が残っているのを見かけることもあり、もちろん飲料水ではなく、ちょっとしたものを洗ったりするのに使われています。写真は南区当麻で、水の汲み出し口に麻袋を付けてゴミなどを取り除いています。よく見ると、井戸の左側に白と青の幣束 (へいそく)があり、井戸の神様がまつられています(昭和63年[1988]2月)。                   

 

かつての住居にはさまざまな神がまつられており、中央区田名のこの家では、年の暮に神棚のしめ縄などと一緒に井戸用のお飾りを作って飾りました(昭和60年[1985]12月30日)。                   

 

井戸に関わる作業で重要だったのが井戸替えです。春先の3月から4月上旬頃に、井戸の中の汚物を掃除をするもので、近所の家々で集まり、順番に各家の井戸替えを行っていきました。井戸替えには、中に人が入って水を掻き出したり掃除をしますが、そのための大きな桶に取り付ける綱を編む作業を再現していただきました(南区当麻・平成6年[1994]3月10日)。

井戸替えの綱は太くするため、井戸替えをする家々が共同で綱を編み、毛羽だったところの藁が手に刺さらず、なめらかになるように火で焼いていきます。そして、できた綱を桶に縛ります。

最後の写真は、完成して綱を付けた桶と、綱を巻いて伸ばしたり引っ張ったりする井戸替え用の井戸車を撮影したものです。なお、井戸替えの綱は水に強い棕櫚(しゅろ)縄を使うことも多いのですが、この時は藁で作りました。                

 

一般に市内の相模原地域は台地の上に集落が広がっていて、水の確保に苦労するところもあり、特に江戸時代に開発された新田の地区では、「井戸百尺」と言って、百尺(約30m)も掘らないと水が出ないなどとも言われました。

井戸は、神をまつり、また、いろいろな作業を行って管理するなど、人々の生活に欠くことのできない水を得るものとして大事にされていたのです。

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リュウグウのサンプル公開2日目!

はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプル公開、二日目の12月7日となりました。
初日は休館日の特別な公開だったため展示室などは閉室していましたが、この日からは展示室をはじめプラネタリウムなども通常どおり開室します。そのため、1日目が終了した後、博物館職員総出で「はやぶさ2」の軌跡を追ったパネルの模様替えなど行いました。

12月6日の閉館後 展示の模様替え

12月7日の開館時間、報道も多かったせいか、当日整理券をお求めの方を含めて行列ができました。

12月7日朝

サンプルを公開しているコーナーの様子です。

サンプルについての解説パネルを掲示しています

記念写真を撮影できるタペストリーもあります!

記念撮影もできます!

午前中、博物館をいつも利用してくれている、ご近所の大野村いつきの保育園のみなさんも観覧に来てくれました。

JAXAからも博物館からも一番近い保育園のみなさん

しっかり目に焼き付けています!

しっかり目に焼き付けています

公開は12日まで続きます。平日の見学はまだ空きがありますが、午前中は当日整理券の枚数が少なめです。配布状況はTwitterでもお知らせしていますので、ご確認の上ご来館ください。

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